定義・泉質・成分・適応症の最近のブログ記事

 旧分類では「重炭酸土類泉」と「重曹泉」に分かれていました。今でもちょっと歴史のある温泉宿ですと「重曹泉」といった泉質名が残っていることもあります。ちなみに、「重炭酸土類泉」というのは、カルシウム-炭酸水素塩泉、マグネシウム-炭酸水素塩泉のことで、「重曹泉」というのはナトリウム-炭酸水素塩泉のことです。


 重炭酸土類泉、つまりカルシウム-炭酸水素塩泉、マグネシウム-炭酸水素塩泉には、カルシウムイオン、マグネシウムイオンによる鎮静効果があります。また、けいれん、炎症を抑える作用があり、アレルギー疾患、慢性皮膚病、じんましん等に効果があります。

 また、飲用する事により利尿作用とともに、尿酸の排泄作用も活発化し、痛風、尿路結石、膀胱炎などに効果があります。さらに高血糖値を安定させるため、糖尿病にも効果があるんですよ。そして、胃酸や異常醗酵によって胃中に生じた酸を中和すると同時にカルシウムが胃腸を鎮静させるため、慢性胃腸障害にも効果があります。
 泉色は基本的に無色透明ですが、成分のバランスにより濁ることや湯船に白淡褐色の成分が付くことがあります。


 重曹泉、つまりナトリウム-炭酸水素塩泉は、浴用においては皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷、切り傷に良いと言われています。また、皮脂や皮膚の分泌物を乳化して洗い流すため、石けんのように皮膚を洗浄します。そこで、皮膚表面から水分の発散が盛んになり、体温が放散され清涼感を得られるため、「清涼の湯」と言われます。
 また、皮膚表面の不要な角質を取り除き、滑らかにするため、ツルツル美白効果があり、典型的な「美肌の湯」といえます。

 飲用することにより、「胃酸薬」のように胃酸を中和します。胃中では炭酸ガスを発生させ粘液を溶解し幽門のけいれんを鎮める作用があるとともに、胃内の排泄を促進します。また、胃粘膜の充血を促し、胃の運動も高めるため、慢性胃炎にもよいんです。この他、吸入やうがいで利用することにより、気管支炎にも良いとされます。

浴用の泉質別適応症としては、
切り傷・火傷・慢性皮膚病が挙げられます。

飲用の泉質別適応症としては、
慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病が挙げられます。


炭酸水素塩泉の中で、全国的に有名な温泉地としては宮城・東鳴子温泉佐賀・嬉野温泉大分・別府温泉があります。中でも大分の別府温泉は観光地としても人気ですね。鳥天や関さば、関アジなどグルメも豊富ですし。独身の頃に別府温泉を訪れたことがあるのですが、味わい深い共同浴場も多く、温泉を満喫することが出来ました。夕食も居酒屋で九州のレア焼酎などを飲み漁り、翌日二日酔いになった記憶があります(^^;。
お酒やグルメも大好きな温泉愛好者にはたまらないのが別府温泉です。ぜひ一度訪れてみてほしいですね。
別府温泉の人気温泉宿一覧はこちらでどうぞ>>大分・別府温泉

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 塩化物泉は海水の成分に似た食塩を含み、塩辛く無色透明のお湯です。塩化物イオンというと「塩素?ひょっとして肌がピリピリするの?」と勘違いされるかもしれませんが、水道水の殺菌のために含まれる塩素とは全く違います。塩素は「次亜塩素酸」の略です。

 一方、塩化物泉は良く温まるお湯で、入浴することにより塩分が皮膚に付着することで、汗の蒸発を防いでくれます。そのため保温効果がよく湯冷めしにくいことから、「温まりの湯」などと呼ばれます。

 また、温泉成分のコーティング効果があるため、保湿剤のような役目を果たし、肌の表面の不要な角質を取ってくれる「美肌の湯」に入浴後に塩化物泉に入って肌の乾燥を防ぐ「仕上げの湯」としても利用できます。
なお、泉質別適応症としては、
切り傷・火傷・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病
が挙げられます。

また、飲むことで胃腸の消化液分泌や運動を促進し、胃腸病や慢性便秘にも効果があります。ただし、食塩制限のある疾患、高血圧、心臓病、腎臓病、浮腫の時には避けたほうが無難です。また、飲用可、と公式にうたっている温泉は少ないのが現状です(基準が厳しいため)。飲む際には十分注意してくださいね。

この塩化物泉、自然湧出する温泉としては日本で一番多かったのですが、掘削技術の発達で温度の規定のみを満たした療養泉、単純泉が増えたことから、現在では日本で二番目に多い泉質となっています。地面から深いところほど温度は高くなりますので、一定の深さ以上まで掘って水脈に当たれば25度以上のお湯が出る、というわけです。


さて、この塩化物泉、全国で有名な温泉地としては、北海道の定山渓温泉、石川県の和倉温泉、静岡の熱海温泉、兵庫の城崎温泉、有馬温泉、和歌山の南紀白浜温泉など古くから温泉地として知られるところが並んでいます。
また、沖縄のロワジール温泉もこの塩化物泉です。沖縄と温泉、あまり結びつきませんが、掘削技術の発達で新たに見つかった温泉みたいですね。

私はやっぱり古くからの温泉が好きです。そして温泉地に行ったら美味しいものが食べたいので、城崎温泉和倉温泉でカニを味わったり、或いは南紀白浜温泉でクエを味わったりしたいですね。
特に南紀白浜温泉の海舟は半島に突き出たロケーションも最高ですし、予約すればクエも味わえるみたいですし、口コミでの評価も大変高いので、ぜひ家族で訪れたい温泉宿の1つです。

療養泉として9つある代表的な泉質のうち、単純泉から説明したいと思います。

単純泉というのは、決して「ただの温かいお湯」ではありません。あくまで、

含有成分の量が一定値に達していないもののこと


を単純泉、といいます。つまり、成分が薄いため身体に優しく、また刺激が少ないため、高齢者や子供(特に乳幼児)など肌の弱い方でも比較的安心して入浴することができ、最も湯当たりしにくい温泉、といえます。

含有成分が微量であることから、即効性は期待できませんが、石けんの泡立ちがよく、お湯も柔らかいので多くの人が気持ちよく浸かることができます。

刺激が少ないことから、脳卒中のリハビリなどに利用されることも多く、「脳卒中(中風)の湯」「神経痛の湯」などと呼ばれたりします。家族全員が安心して入れる優しい泉質ですから、家族で一緒に出かけるのにはもってこいの温泉です。


なお、アルカリ性単純泉は、前回の記事でも紹介したとおり、pH8.5以上の温泉のことをいいます。pH7.5以上で弱アルカリ性単純泉ですね。
pHが7.5以上あると、肌表面の不要な角質を取り除く美肌効果があります。
ですから、弱アルカリ性単純泉は、肌のデリケートな女性にピッタリの美肌の湯、といえますね。

単純泉・(弱)アルカリ性単純泉には泉質別の適応症はなく、一般的な適応症のみ認められており、
・神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、痔疾、慢性消化器病、冷え性、疲労回復、健康増進、病後回復期


自然湧出する温泉として、以前は塩化物泉が最も多かったのですが、掘削技術の進歩などにより、単純泉が日本で最も多い泉質となっています。

代表的な温泉地としては、九州・大分の湯布院が有名ですね。ランプの宿として知られる青森の秘湯・青荷温泉も単純泉です。青荷温泉は、一度は訪れてみたいと思っています。

関東では、群馬・水上温泉、栃木・鬼怒川温泉が代表例です。

前回紹介した記事の中で、温泉の定義のうちの2つ目として

・「溶存物質の総量」「リチウムイオン」「水素イオン」「沃素イオン」「フッ素イオン」「メタけい素」「重炭酸そうだ」など含有成分に関する19の特定条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。

がありました。ではその19の成分と規定値はどんなものなのでしょうか?いきなり答えになってしまいますが、それは以下のようになっています。
  • 溶存物質(ガス性のものを除く):総量1000mg/kg以上
  • 遊離炭酸(CO2):250mg/kg以上
  • リチウムイオン(Li+):1mg/kg以上
  • ストロンチウムイオン(Sr2+):10mg/kg以上
  • バリウムイオン(Ba2+):5mg/kg以上
  • フェロ又はフェリイオン(Fe2+、Fe3+):10mg/kg以上
  • 第一マンガンイオン(Mn2+):10mg/kg以上
  • 水素イオン(H+):1mg/kg以上
  • 臭素イオン(Br-):5mg/kg以上
  • ヨウ素イオン(I-):1mg/kg以上
  • フッ素イオン(F-):2mg/kg以上
  • ヒドロひ酸イオン(HAsO4 2-):1.3mg/kg以上
  • メタ亜ひ酸(HAsO2):1mg/kg以上
  • 総硫黄(S)※:1mg/kg以上
  • メタほう酸(HBO2):5mg/kg以上
  • メタけい酸(H2SiO3):50mg/kg以上
  • 重炭酸そうだ(NaHCO3):340mg/kg以上
  • ラドン(Rn):0.000000002キュリー/kg以上
  • ラヂウム塩(Raとして):0.00000001mg/kg以上
※総硫化水素+チオ硫酸に対応するもの

このリストを見て違和感を覚えませんか?そう、よく皆さんが温泉の泉質名で聞くもののうち、これらの成分を見てぱっと結びつきそうなのって「硫黄泉」くらいなんですよね。きっと「総硫黄が多いのが硫黄泉なんだろうな」というのは分かると思うのですが、それ以外はさっぱりです。例えば「塩化物泉」や「炭酸水素塩泉」「硫酸塩泉」はどうなのでしょう?

これが「温泉」の定義のいい加減なところなんですねー。例えば、「リチウムイオンが1mg/kg入っている」と温泉なのですが、泉質名・適応症は?というと泉質名はつかないですし、適応症もないんですね。

実際には、たいていの場合に源泉温度が25℃以上なので、療養泉の条件を満たし、最低でも単純泉とつくのですけどね。というより、泉質名が無い温泉、を探すことのほうが難しいです。少なくとも私は知りません(^^;。


というわけで豆知識
「泉質名の無い温泉がある」
のです。

では療養泉の条件は?これは次回また紹介しようと思います。ここで泉質名などが決まります。

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日本人にとって「温泉」はとても馴染み深いものですね。では、温泉ってそもそもどういう定義なんでしょうか?まさか勝手に名乗っていいものではないですし。

実は、温泉の定義は「温泉法」という法律で定められています。その条件は・・・
・地中から湧出する温水、鉱水及びおよび水蒸気その他ガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温泉又は物質を有するものをいう。

となっています。では、別表にはどう書かれているのでしょうか?その別表によると、温泉のための条件は2つあって、いずれかを満たしていればOKです。

■1つ目
・源泉温度が25℃以上であること。

■2つ目
・「溶存物質の総量」「リチウムイオン」「水素イオン」「沃素イオン」「フッ素イオン」「メタけい素」「重炭酸そうだ」など含有成分に関する19の特定条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。

このことから分かること、、それは「地中からそこそこ温かい水が湧出すれば温泉」と言える、ということです。でも25℃ですからね。温水プールの水温が30℃より少し低いくらいみたいですから、温水プール並みの水温があれば、「温泉」となってしまうのです。

また、逆に成分が入っていれば水温が25℃以下でも「温泉」になります。「冷たいじゃん、温かくないじゃん!」という突っ込みはあると思いますが、そこは法律の定義、ということで(笑)。


ちなみに、温泉に泉質名がつくためには「療養泉」である必要があります。では「療養泉」の基準は?といいますと次の2つの条件のいずれかを満たしていればOKです。

1.源泉温度が25℃以上であること
2.「溶存物質の総量」「硫黄」「二酸化炭素」など含有成分に関する8つの特定の条件のうち1つ以上規定値に達しているもの。

つまり、25℃以上の水が地中から湧出すれば「単純温泉」と少なくとも名乗れることになります。では、温泉であるための条件となる19の成分とその規定値、療養泉であるための条件となる5つの成分とその規定値についてはどうなのでしょうか?

それについては次回の記事でまとめたいと思います。いずれは成分ごとの効果、みたいなこともまとめていきますので、お楽しみに(?!)


ま、大自然の中で露天風呂につかれば気持ちよいですからね。リラックスしますし。細かいことを言わず楽しんだほうが良いのかもしれません。

ただ知っておいて損な話でもないですし、ちょっとした豆知識として自慢できるかも?しれませんので、温泉旅行に出かける前に一度目を通しておいてみてもらえるとうれしいです。


ちなみに・・・、わたしが今まで訪れた中で、
■最も泉質が良い、と思ったところ
 ⇒渓雲閣(奥塩原温泉・単純酸性硫黄泉)
でしょうか。
源泉かけ流しのにごり湯が楽しめますので、ぜひ行ってみて欲しいですね。

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